彼を泣かせてしまったのかもしれない。

私はすっかり彼と彼女が上手く行っているものと思って
私1人、全ての暗闇の中におかれるのが嫌なだけだった。
彼が彼女と幸せになるのは、構わない。
だけど、私は一人になりたくなかった。こんな思いを全てかかえて一人になるなら、
自分の記憶を全部消してしまいたかった。

「死にたい」と彼に言った時、
彼は「どうしてそんなことを俺にいうの?」と聞いた。
当たり前だ。
選ばなくてもいいから、死なせてなんて無茶苦茶だ。
でもそれしか出来ない。それしか今が生きられない。

彼は泣いていたかもしれない。
そんなことが出来るはずもない。
だけれど、彼のそばにいるもう1人の彼女も、私と同じような状況。
私の言葉を聞いたからといって、今選べる状況じゃないといって、声を落とした。

私は本当に彼に選んで欲しくて「死にたい」の言葉を言った訳じゃないことを
そのとき実感できた。
彼が選ばなかったけれど、「死なせてあげることも考えてあげる。」
と言ったときほっとした。心からホッとした。
そして、私は本気だったことが自分でその時わかった。

彼は「俺はどうしたらいいんだろう。」とつぶやいた。
本当なら「私が立ち直ってあげる。」と言ってあげたかった。
けれど、そんなことを言っても多分私は最後の瞬間に電話をかけたりするんだろう。
それを意図したことでなくても、彼はもっと無茶苦茶になる。

どちらにしても、私1人で全ての傷をかかえて、誰かを恋したりするのは無理なことが
自分で判りきってしまっているのが辛い。
誰かを恋するのではなく、生きるため誰か側にいればいいということになる。
決してその人を愛してるわけでなく、せめて結婚しているというステイタスで
周囲から傷に塩を塗られないようにするだけ。
その人を愛さない。
そんな人から産まれた子供はどう育つのだろう。
そして私はそんな生き方から、傷を治すことができるのだろうか。
多分できない。
親の離婚の時もそうだったけれど、私は本来的に不幸を人のせいにするから、
今度の傷は多分自分がちゃんといきない言い訳にするだけになる。
自分に一生嘘をついて生きていくよりは、大切な今の自分を守ってあげたい。
そんな侍のような生き方しかできない。

私には本当のことを言うことしか今はできない。


彼はとにかく日本に帰ってこいと言った。
残り少ない留学生生活、がんばっておいでと言った。

神様、私達の遭難船は一体どこにいくのでしょうか。

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